症状 思考 日記

気分変調症の 症状、思考、日記

重複うつ病についてのいくつかの調査結果引用

慢性うつ病の精神療法ーCBASPの理論と技法(2005年出版、マカロウ原著)を読んでいる。

 

CBASPとは気分変調症を含む慢性うつに対して効果があるとされている精神療法のこと。

 

本書は3部構成である。

第1部は慢性うつ患者の精神病理についての解説。

第2部はCBASPの方法と手順について。

第3部はCBASPの歴史などについて。

 

いまのところ第1部のみ読んだ。

 

 

そこに記述されている「重複うつ」についての研究結果をいくつか挙げてみる。

※「重複うつ」は、気分変調症を持っている人がうつ病(大うつ)も重複して発症している状態である。

※本書は2005年に出版された訳書であり、原著はそれ以前のものであるわけなので、いまとなってはさらに新しい知見が出ているかもしれない。

 

①重複うつの患者は、治療にかかわらず、大うつは寛解し、もとのレベル(=単なる気分変調症)に戻る。

→これは朗報だと思った。放っといても大うつは寛解するのだ。が・・

 

薬物療法と精神療法を長期かつ積極的に行わなかった場合、気分変調症が続くだけでなく、大うつエピソードの再発を引き起こしやすくなる。

→再度の大うつの予防という意味ではやっぱり治療はした方がいい。そして一度大うつから回復した後も治療は続ける必要がある。

 

③気分変調症が先行した大うつの61%は1年以内に症状の再発が認められる。

 

④薬物治療された重複うつ患者のうち、97%が大うつからは回復するが、気分変調症からも回復するのは39%である。

→「大うつの寛解を得るのは気分変調症の寛解を得るよりずっと簡単である」。

 

⑤重複うつ患者は、気分変調症のない(=重複でない)うつ病患者と比較するとより早く大うつから回復するが、再発する期間もより短い。

 

 

やっかいである。

「そんなの、気分変調症でも大うつにならなきゃ大丈夫じゃん」と思いたいところだが、

「気分変調症の患者の90%は、一生の間に大うつを1回以上経験する」ことも明らかになっているそうだ(Keller, 1988)。

 

気分変調症である以上、大うつになるのは覚悟しておかなくちゃいけん。

そして治療はやはりした方がいい。